「クリエイティブ入門」を読んで複雑な私がシンプルになった話。【脳に住むふたりの私】
今日は読書感想文なるものになります。
先日、原野守弘さんの「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」という本を読みました。
あまりにも圧巻で、感想文を書いたら3000文字くらいになっていました。
とりわけ人間の脳について書かれた1章が興味深かったので、この記事でご紹介したいなと思っています。
「自分で自分がわからない」状態が起こるのは自然なこと
たまに「どうしてこんな意思決定をしたんだろう。」と自分がわからなくなる時があります。
この本を読むまで、それは私だけの体験だと思っていました。
ところがこの1章には、”人間の中には自分の意識が理解できない存在がある。”と書かれていました。それが実際のところ、主として人間の行動を仕切っているとまで。
人間の脳はどうやら2人羽織状態で、悩んでいる時と意思決定をする時に使っている部分が違うということでした。
大脳新皮質の私と私の大脳辺縁系
「2人羽織状態の人間の脳」は、具体的に
になります。
悩んでいるときは、熟慮に基づく意識的な選択ができる状態。一方で、ふっと直感的に起こる意思決定は、意識外のレベルでの選択を先行させた結果の状態。
「私は”わたし”がわからない」状態はおそらく後者で、紛れもなく情動はこの意識外の選択にバイアスをかける重要な働きをしています。
とりわけ「大脳新皮質の自分が意思決定を行う前に、自分の大脳辺縁系がその方向をきめている。」との表現が素敵でした。
人間って複雑な生きものだと思っていたけれど、2人羽織と知り、ググッとシンプルに世界が見えてきました。
わかりあえないは当たり前なのかも
このように、大脳新皮質の自分と自分の大脳辺縁系というように二重の自分を持っているのであれば、悩んでいた大脳新皮質の私が表面だって現れることはないわけです。
表面に出るのはいつだって結果である意思決定であり、それは言語化できない「私の大脳辺縁系」が行ったことです。
ここから言語化できなくて苦しんでいた理由が解明されます。
そもそも言語化できないものを。人にどう伝えられると言うのでしょう。
人と人は分かり合えない生きものと時に言いたくなるのは、脳のつくりからすると自然なことなのかなと感じました。
とはいえ、人間が意思決定を行う時に、無自覚的なプロセスとして過去の経験から選択肢それぞれにプラスとマイナスの感情のラベルをつけているとも本には書かれています。
言語化できないものを頑張って言語化しようと頑張るのであれば、過去の経験から生まれた選択肢を棚卸することに価値があるかもしれません。
「生きづらい。」を助けてくれる本
時に日常の中で生きづらさを感じます。
それはどこから来るものなのかを説明する上で、この2人羽織状態の人間の脳が手助けとなってくれる思いになりました。
ぜひ、クリエイティブ入門読んでみてくださいね。